失敗する原因は1つ。しかし、繁盛する方法は?
拡大成長していたお店が突然倒産する理由
昨今、テレビや新聞のニュースでは、チェーン店の倒産や、既存店の減収減益、赤字決算の記事が連日のように掲載されています。
なぜ、強いはずのチェーン店までもが倒産する時代になってしまったのでしょう?
それは、昨今報道されている不況の影響ではなくて、日本人がもっとも大事にしてきた美意識を捨ててしまい、文化も歴史も違うアメリカ的な発想を商売に取り入れてしまったからなのです。
では、その美意識とは・・・?
無駄の美学
日本の歴史を紐解く中で、実はもっとも重要な考え方・美意識の中に「無駄」と言うものがあります。
大型店やチェーン店は、アメリカ的な効率化発想の元で、この無駄といわれる部分をどんどんそぎ落とすことで、成長してきました。
確かに、効果、効率を追い求めることは、経営において大切です。
しかし、効率化して良い部分と、決して効率化してはいけない部分があるのです。それにも関わらず、全てを効率化してしまったからこそ、大型店やチェーン店が、ことごとく業績を落とす結果となってしまってるのです。
しかし、こうした現状は、私たち小規模店舗にはものすごくチャンスであり、ラッキーなのです。
では、経営上大切な無駄の美学とは何でしょうか?
コンビニで花を生ける
突然ですが、あなたは、京都にある龍安寺の石庭を見たことがありますか?
なんだか分からないけどすごいと感じませんでしたか。
しかし、効率化しか考えない経営者の視点が入ると捉え方は変わってしまいます。
「面積をもっと狭くしてもいいのではないか?」
「石はいるのか?」
「そもそも庭なんて必要か?」
あなたは、コンビニエンスストアで生け花が飾られている光景を見たことがありますか?
ありませんよね。
コンビニエンスストアは、効率化を重視していますから、店内に生け花を置いたら、取扱商品数が減ってしまいます。生け花を置くことは無駄の極地と考えるでしょう。
しかし、もし、コンビニエンスストアの中に生け花が飾られていたとしたら・・・、なんだかホッとしませんか?疲れが取れませんか?
一見無駄と思えるものが、実は、お店の重要な役割を果たしていたと言うことが多いのです。
そして、それを無くしてしまったがためにお店の魅力がなくなってしまった・・・。
こんな話は本当に沢山あるのです。
1つのテーブルと4つのイス
ある服屋さんは、店内の一角にイスとテーブルセットがあります。
あなたは「わざわざ店内にテーブルやイスを置いたら、品揃えの数が減ってしまうから、無駄だ」と考えますか?
そして、なんとそのお店は、お店に来たお客さんに対して、服を勧めずに一緒にコーヒーを飲んでいます。
あなたは「え?服を勧めずに一緒になってコーヒーを飲んでいるの?そんなの無駄だ!」と考えますか?
確かに、テーブルとイスがあるからその分商品を置くスペースがなくなります。お客さんに商品を勧めずにお客さんと会話ばかりしています。
でも、服は売れるのです。
なぜなら、テーブルとイスがあるお陰で、お客さんと会話ができてコミュニケーションがとれるからです。むしろ、服なんか勧めなくても、売り込まなくても売れるのです。
あなたは間違った効率化の元、売上げを自ら逃していませんか?
失われた売上げはあなたの想像以上に大きいのです。
繁盛店作りに無駄を生かす
もし、あなたが「地域のお客さんから愛される圧倒的な繁盛店」を目指したいのであれば、無駄を生かす視点を持ってください。
大型店やチェーン店は、無駄を一切そぎ落としてしまった結果、繁盛店としての大事な要素である個性をなくしてしまいました。
どこに行っても同じ名前、外観、料理(商品)、サービスにすることで、その代償として、お店としての「持ち味」がなくなってしまったのです。
お客さんから見える場所は、無駄を生かす。お客さんから見えないところは無駄を省く。
この視点を持つだけで、あなたは独自の繁盛路線を歩むことができるようになるのです。